4miniノート

シャリー × エンジン

エンジン足回り吸排気外装

カスタム

カム

ノーマルよりバルブの開弁量・開弁期間を拡大したカムシャフトへの交換。プロファイル次第で低速トルク重視にも高回転パワー重視にも振れる

メーカー:SP武川ヨシムラ
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ノーマルカムシャフトのバルブ開弁量(リフト量)・開弁期間(デュレーション)のプロファイルを変更した「ハイカムシャフト」への交換カスタム。

狙う特性はプロファイル次第で選べ、低速トルクを厚くする方向・高回転域のパワーを伸ばす方向のどちらも存在する。

武川(SP武川)の「スーパースポーツカムシャフト」「スポーツカムシャフト(N-20)」はノーマルシリンダーヘッドの性能を引き出すことを狙ったプロファイルで、ヘッド加工なしでポン付けしても高回転域の出力アップが見込めるとされる。

ヨシムラの「ST-1」も定番として知られる。

ハイカム化は「バルブ」(強化バルブスプリング)とセットで検討されることが多く、高回転化に伴うバルブサージング(追従できずバルブが暴れる現象)を防ぐ目的で強化スプリングが併用される。

目的:低速トルクの底上げ、または高回転域の出力アップ(プロファイル次第)

バルブ

バルブは①本数(2→4バルブ化)②径拡大③スプリング強化という独立した3つの軸があり、単独または組み合わせて選択できる

メーカー:SP武川キタコポッシュCuby
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バルブに関するカスタムは大きく3方向あり、混同しやすいので整理する。

①バルブ本数の変更(2バルブ→4バルブ化)、②バルブ径の拡大(大径バルブ化、本数は2バルブのまま)、③バルブスプリングの強化(本数・径を変えずスプリングだけ強化)——この3つは互いに独立した軸で、実際のカスタムはこれらを組み合わせて成立する。

なお「バルブを直接動かす機構がSOHCかDOHCか」は別軸(DOHC化)で、4バルブ化はDOHCにしなくてもSOHCのまま実現できる点に注意。

①2バルブ→4バルブ化:吸気・排気それぞれ1本ずつの2バルブから、各2本ずつの4バルブへ増やす加工・製品。

バルブカーテン面積(バルブが開いたときにできる隙間の総面積)を拡大でき、大径化した2バルブよりもさらに吸排気効率を高められるとされる。

代表製品はSP武川の「スーパーヘッド4V+R」で、これはDOHCではなくSOHCのまま1本のカムシャフトで4バルブを動かす方式(ロッカーアーム経由)を採る。

センタープラグ化・バルブ挟み角・燃焼室形状・ポート形状をバランスさせて設計されており、高回転域まで出力特性が持続することが特徴とされる。

88cc・106cc・124cc・181ccのコンプリートエンジンとしても展開される。

②大径バルブ化:本数は2バルブのまま、バルブ径そのものを拡大してバルブカーテン面積を稼ぐ加工。

4バルブ化よりコストを抑えつつ吸排気効率を高めたい場合に選ばれ、シリンダーヘッドのポート加工とセットで行われることが多い。

③バルブスプリングの強化:ハイカムシャフト装着による高回転化に対し、ノーマルスプリングでは追従しきれず発生する「バルブサージング」(バルブが暴れる現象)を防ぐための交換。

バルブ本数・径の変更とは独立して必要になる場合がある対策で、キタコはSTD/NEW STDタイプ2シリンダーヘッド用の強化バルブスプリングセットを、ポッシュはモンキー・ゴリラのハイカムシャフト専用設計品を、それぞれ展開している。

目的:吸排気効率の向上(①4バルブ化/②大径化)、ハイカム装着時のバルブサージング防止(③スプリング強化)

ポート加工

吸排気ポートの内径をリューターで拡大・整形する加工。中高回転域の伸び向上を狙うが、単純な拡大だけでは効果が出にくい経験値の要る加工

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吸排気ポートの内径をリューター(超硬バーの先に研磨棒・研磨石を取り付けた工具)で拡大・整形する加工。

粗削りにはパワーのあるエア式、仕上げには繊細な動きの電動式を使い分けるのが定番とされる。

ノーマルのポート径13.7mmを21.4mmまで拡大した事例も報告されており、中高回転域の伸びの向上を狙う。

ただし「単純に穴を拡大し形状を整えるだけでは大幅な性能アップは望めない」「バルブガイド下を削りすぎると社外ヘッドによっては耐久性が落ちる場合がある」といった注意点が複数の情報源で指摘されており、排気量・カムプロファイルなど他のエンジン仕様に合わせた繊細な調整が必要な、経験値の要る加工とされる。

目的:中高回転域の吸排気効率向上によるパワーの伸び

信頼性メモ:「ポート径21.4mmまで拡大」は一事例の数値であり、全ての加工に共通する目標値ではない。加工度合いは排気量・用途に応じてショップごとに判断される。

軽量クランクシャフト

クランクシャフトのウエイト部を削り込んで軽量化。丸型はストリート向けの乗りやすさ、おにぎり型はよりピックアップ重視という傾向

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クランクシャフトのウエイト部(重り部分)を削り込んで軽量化したもの。

軽量化のみでストローク量(=排気量)が変わらない場合、吹け上がり・レスポンスは向上するが、その効果はロングストローク化ほど大きくはないとされる。

ウエイト部の形状には丸型とおにぎり型の2種類があり、丸型は慣性力を持たせたストリート向けで低中速域の乗りやすさを重視、おにぎり型はウエイト部をさらに削り込んで軽量化しピックアップに優れる、という傾向が紹介されている。

目的:慣性モーメント低減による吹け上がり・レスポンスの向上

強化クラッチ

1次側・2次側・遠心の3クラッチタイプいずれにも存在する強化クラッチ。スプリング強化・摩擦強化ディスクでボアアップ後のクラッチ滑りを防止

メーカー:SP武川
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強化クラッチを理解する前提として、4miniのクラッチには構造の異なる3タイプがある。

①1次側クラッチ(ノーマルモンキー系。

クランクシャフトに直接クラッチが接続され、街乗りなど実用域でのタッチが優しい)、②2次側クラッチ(ノーマルエイプ系。

トランスミッションのメインシャフト側にクラッチが接続され、大径のプライマリードリブンギアがクラッチと一体化している)、③遠心クラッチ(初期モデルやカブ系に採用。

ウエイトローラーや振り子プレートがエンジン回転の遠心力で作動し、クラッチレバー操作なしでシフトできる自動式)。

「強化クラッチ」はこのうちどのタイプにも存在し、クラッチスプリングの強化・摩擦力を高めたフリクションディスクへの交換(5枚ディスク仕様等)によって、ボアアップ後のパワーに対するクラッチの滑りを防ぐ。

遠心クラッチ車向けには武川の「強化遠心クラッチキット(32枚ウェイト等)」のように、チューニングエンジンの出力を十分に伝えるための専用強化キットが用意されている。

目的:ボアアップ後のパワーに対するクラッチ滑り防止

信頼性メモ:「強化クラッチ」と「スペシャルクラッチ」の呼び分けは主にSP武川の製品ライン名に基づくもので、他メーカーが同じ名称の区分を用いているとは限らない。購入時は「何を強化・交換する製品か」を個別に確認する必要がある。

オイルポンプ

排気量アップに伴うオイル吐出量不足を補う強化オイルポンプ。ノーマル比1.3〜1.6倍程度の吐出量を持つ製品がある

メーカー:キタコシフトアップSP武川
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クランクケース下のオイルパンに溜まったエンジンオイルを汲み上げ、シリンダーヘッドやクラッチなど各部にオイルを送り込むパーツ。

排気量を大幅にアップすると、ノーマルオイルポンプの吐出量では潤滑が追いつかず、最悪の場合エンジンの焼き付きにつながるため、ボアアップ・オイルクーラー装着とセットで検討される定番の強化ポイントとされる。

SHIFT UPのモンキー12Vキャブレター車用ラインナップでは、ノーマル比1.3倍の吐出量を持つ「スーパーオイルポンプ」(100cc以下推奨)と、ノーマル比1.6倍の「ULTRAオイルポンプ」(100cc以上推奨)のように、排気量に応じた製品選定が案内されている。

目的:ボアアップ後のオイル吐出量不足によるエンジン焼き付きの防止

フィッティング

オイルクーラー本体とオイルラインをつなぐ接続金具。AN規格のサイズ表記とネジピッチの両方を確認する必要がある

メーカー:EARL'S
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オイルクーラー本体とオイルラインをつなぐ接続金具。

フィッティングとフィッティングアダプターは「AN」という規格でサイズ表記され、例えばフィッティングがAN6であればアダプターもAN6に合わせる必要がある。

加えて、フィッティングアダプターとオイルクーラー本体の接続部分はメーカーによってネジピッチが異なるため、AN番手だけでなくネジサイズそのものの確認も必要になる。

アールズ(EARL'S)のようなメーカーは、形状・サイズ・角度違いの豊富なフィッティングをラインナップしており、それらを組み合わせて車体レイアウトに合ったオイルラインを構成する。

目的:オイルクーラー本体とオイルラインの確実な接続・車体レイアウトへの適合

段数

オイルクーラー本体の冷却フィンの数・段差。多いほど冷却性能は上がるがコアのサイズ・重量とのバランスが必要

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オイルクーラー本体(コア)にある冷却フィンの数・段差のこと。

段数が多いほど冷却面積が広がり、冷却性能が高くなるとされる。

一方で段数を増やすほどコアのサイズ・重量が増し、4miniの限られた搭載スペースとの兼ね合いが出てくるため、車体のスペース・用途(街乗りかレースかなど)に応じたバランスで選ぶ必要がある。

オイルクーラーの構造自体は、ラジエターに近い積層多板式が主流で、チューブを束ねた多管式のタイプも存在する。

目的:冷却性能とコアサイズ・重量のバランス調整

信頼性メモ:段数・オイルライン径ともに「多い/太いほど常に良い」わけではなく、車体スペースや油圧とのバランスで最適値が変わる。個別の数値的な最適解は車種・用途ごとに異なるため、専用キットの構成を参考にするのが実用的とされる。

オイルライン

オイルクーラー本体とエンジンをつなぐホース(配管)。太すぎても細すぎても循環不良を招くためメーカー指定径を基本とする

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オイルクーラー本体とエンジンの間をつなぐホース(配管)部分。

基本はメーカー指定のホース径を選ぶことが前提で、必要以上に太くすると油圧が下がってオイルの循環不足を招き、逆に細すぎても循環不良の原因になるとされる。

取り出し口の追加にあたっては、モンキー・エイプのようにノーマルにオイルクーラー接続用のポートが無い車種では、専用のシリンダーヘッドカバーやクラッチカバーを介してオイルラインを取り出す必要がある(別項「オイルクーラー」本体の取付、およびエンジン全体の項目参照)。

人気車種であれば車種別の専用キットが各社から販売されており、フィッティング・段数・オイルラインの組み合わせで迷う場合は、専用キットを選ぶのがもっとも確実な方法として案内されている。

目的:油圧・オイル循環量を適正に保った配管設計

信頼性メモ:段数・オイルライン径ともに「多い/太いほど常に良い」わけではなく、車体スペースや油圧とのバランスで最適値が変わる。個別の数値的な最適解は車種・用途ごとに異なるため、専用キットの構成を参考にするのが実用的とされる。

修理・整備

エンジン焼き付き

原因:オイル・オイルフィルター交換不足による潤滑不足、オイル量不足、水冷車の場合はクーラント漏れ・ウォーターポンプ故障による冷却不足

対処法:腰上(シリンダー・ピストン・ピストンリング)分解点検、腰下・クランクへの影響がなければ腰上部品交換のみで修理可能。部品代1〜2万円、店依頼は技術料込みで5万円前後が目安

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オイルやオイルフィルターの交換を怠ることによる潤滑不足、オイル量そのものの不足に加え、水冷車の場合はクーラント漏れやウォーターポンプの故障による冷却不足が主な原因として挙げられる。

対処としてはまず腰上(シリンダー・ピストン・ピストンリング)を分解点検し、クランクなど腰下側に影響が及んでいなければ腰上部品の交換のみで修理が完了する。

部品代の目安は1〜2万円程度、整備店に依頼する場合は技術料込みで5万円前後が目安とされる。

エンジンがかからない(始動不良)

原因:プラグ不良・火花なし、長期放置によるキャブレター内ジェット詰まり・フロート室のガソリン劣化、ボアアップ車のキャブセッティング不良、イグニッションコイル劣化による出力低下

対処法:プラグ・ガソリン供給・キャブレターの順にチェック。放置車はキャブオーバーホール、コイル交換等

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始動不良の原因はいくつか考えられ、①プラグの不良で火花が飛んでいない、②長期放置によりキャブレター内のジェットが詰まったりフロート室のガソリンが劣化している、③ボアアップ車でキャブセッティングが合っていない、④イグニッションコイルの劣化による出力低下、などが代表的なパターンとして挙げられる。

対処としてはプラグ→ガソリン供給→キャブレターの順にチェックしていくのが基本で、長期放置車ではキャブレターのオーバーホール、コイル劣化が疑われる場合はコイル交換などで対応する。

腰上オーバーホール

原因:経年摩耗、ボアアップ後の点検整備

対処法:プラグ抜き→各カバーボルト脱着→カムスプロケット取り外し→シリンダーヘッド・シリンダー・ピストン分解。ハンドツールで対応可能な難易度

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経年による摩耗や、ボアアップ後の点検整備を目的として腰上(シリンダーヘッド・シリンダー・ピストン周り)を分解するオーバーホール。

手順としてはプラグを抜いたうえで各カバーのボルトを脱着し、カムスプロケットを取り外してからシリンダーヘッド・シリンダー・ピストンの順に分解していく。

特殊な専用工具を必要とせず、一般的なハンドツールで対応できる難易度とされ、腰下オーバーホールに比べて着手しやすい整備として位置づけられる。

腰下オーバーホール

原因:クランク・ミッション系の摩耗、加工(ボーリング等)に伴う分解

対処法:フレームからエンジン脱着が必要、特殊工具(クランクケースプーラー等)を使用。クラッチカバー脱着、オイルシール交換、ミッション点検を実施

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クランクシャフトやミッション系統の摩耗、あるいはクランクケースのボーリングなど加工作業に伴って必要になる、腰下(クランクケース内部)のオーバーホール。

腰上作業と異なりフレームからのエンジン脱着が必要になり、クランクケースプーラーなどの特殊工具を用いる点が特徴。

作業内容としてはクラッチカバーの脱着、オイルシールの交換、ミッションの点検などが含まれ、腰上オーバーホールに比べて難易度・作業量ともに大きい。

バルブクリアランス過大によるタペット音(カチカチ音)

原因:走行距離増加に伴うバルブクリアランスの拡大(経年摩耗)

対処法:エンジン冷間時に、フライホイールのTマークとエンジン切掛けを合わせてピストンを圧縮上死点に置き、シックネスゲージで規定値(モンキー横型ノーマルで吸排気とも0.05mm±0.02が目安)にタペット調整する

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走行距離が伸びるとバルブクリアランス(すき間)が広がり、ロッカーアームがバルブコッターを叩く「タペット音(ラッシュ音)」が大きくなる。

モンキーの横型エンジン(ノーマル)は吸排気側とも0.05mm±0.02、エイプ50は0.05〜0.1mm程度が規定値の目安とされる。

調整はシックネスゲージを使い、フライホイールの【Tマーク】とエンジンの切掛けを合わせてピストンを圧縮上死点にした状態で、エンジンが冷えている状態で行う必要がある(熱間時は熱膨張の影響で正しい調整ができない)。

ドライブチェーン・スプロケットの伸び・摩耗による異音

原因:チェーンの伸び・スプロケット歯の摩耗(経年使用)、チェーンのみ交換しスプロケットが摩耗したまま組み合わせた場合の当たり不良

対処法:チェーンとスプロケットはセットで交換するのが基本。交換後は規定値どおりの張り調整を行う

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チェーンは使用とともに伸びていき、スプロケットの歯も摩耗する。

摩耗が進んだスプロケットに新品のチェーンだけを組み合わせると、歯がチェーンを適切に受け止められずチェーンを叩いて異音が増えることがあるため、原則としてチェーンとスプロケットはセットで交換することが推奨される。

チェーンが著しくヨレている場合は張り調整だけでは異音が収まらないこともある。